にきび
■にきびの症状顔面によく見られる皮疹で、通常10歳代に生じます。最初の皮疹は1~2mmの白い点で、次第に大きくなり、黒い突出した点に変化します。さらに炎症が加わって赤くなり、押すと痛みが生じるようになります。
■にきびの原因
皮膚に常在するアクネ桿菌の増殖と炎症が原因。さらに男性ホルモンが皮脂腺の発達を促すため、思春期に悪化することが多いです。毛包虫(ニキビダニ)が原因となることも。
■にきびの治療法
過剰な化粧品を避け、適度な洗顔を行います。エリスロマイシン、テトラサイクリン、ミノマイシンなどの抗菌薬の内服と外用軟膏の併用も必要。重症の場合はケミカルピーリングや、にきびを押し出す治療が有効なことがありますが、これらの治療は必ず皮膚科で。自分でにきびをつぶすと二次感染を引き起こし、醜いにきびの傷跡を残すことになるので絶対に避けて下さい。
いぼ
■いぼの症状はじめは小さな隆起をした白い皮疹で表面がかさかさ しているのが特徴。ウイルスの種類によっては黒色、赤色などのものがあるので色で判定はできません。いずれにしても隆起している点は共通です。
■いぼの原因
ヒト乳頭腫ウイルスの皮膚感染症で、通常かゆみを伴い、指で患部をこするといろいろな部位に感染します。家族、友人など接触がある人にも伝染します。
■いぼの治療
液体窒素……治癒すれば傷跡もなくみためは良好ですが、再発率が高いという欠点があります。
炭酸ガスレーザー……健康保険の適応がなく、病院により治療費にばらつきがある点が欠点ですが、治癒率は99%以上と良好です。大きさがよほど大きなもの以外は傷跡も残らないので、見た目もほぼ良好な結果となります。
電気凝固……大きなものは切除することになりますが、白い傷跡が残ります。
皮膚科では液体窒素の治療がほとんどですが、可能であればレーザー設備のある病院での治療をお勧めします。ただし、費用が病院によって差があるの� �確認が必要です。
たこ
■ たこの原因・症状足底や指に機械的な圧が加わることにより角質が肥厚した状態。力を受けると、周辺部の正常皮膚がたこの固い角質に刺激を受け、痛みを生じます。
■たこの治療
スピール膏(サリチル酸)を数日粘着性のあるテープで固定し、角質をやわらかくしたところで、病院で角質を削ると、完治しないにしても痛みがやわらぐので、疼痛の緩和には有効。たこの部位に圧を加えなくすれば治癒しますが、通常は難しい場合が多いです。
魚の目
■魚の目の原因・症状たこと同じ機械的な圧が原因で角質が厚くなりますが、厚くなった角質が皮膚の深部に向かって進行し、中心に核とよばれる部位があり、魚の目とよばれます。
■魚の目の治療
スピール膏を数日粘着性のあるテープで固定し、角質をやわらかくします。その後、病院で角質を削ってもらう治療を数ヶ月継続して行えば、治癒します。
表皮嚢腫(粉瘤)
通称「粉瘤(ふんりゅう)」とも呼ばれます。ほくろ、いぼ 以外の皮膚腫瘍の80%程度をしめる非常に頻度の高い良性腫瘍です。■表皮膿腫の原因・症状
表皮ないし、毛包由来の上皮成分が真皮内に陥入し、嚢胞を形成します。内部に角質部分を満たしている状態です。通常は中心に開口部を有し、痛み、発赤はありませんが、細菌感染を合併すると腫大し、痛み、発赤を生じます。
■表皮膿腫の治療
良性腫瘍ですが、徐々に増大すること、時として感染し痛みを生ずることから、感染のない時期に摘出術を施行することが勧められます。感染期の治療は 抗菌薬の投与と切開排膿(嚢腫の一部に麻酔を行い小さな穴をあけ、そこから内容を排出する治療)が行われます。この切開排膿は完治させる治療ではないので、 1ヶ月後程度で摘出術を行う必要があります。通常は1年程度はそのままの経過で大きな変化はありませんが、切開排膿で治癒することはないので注意が必要です。
顔以外の部位であれば、皮膚科、外科などの受診でよろしいのですが、顔の腫瘍を切除する場合は必ず形成外科を受診するようにして下さい。
脂肪腫
■脂肪腫の症状疼痛、発赤などを伴わない皮下の柔らかいしこりとして 自覚します。
■脂肪腫の原因
脂肪細胞がなんらかの原因で増殖し腫瘍を形成します。上記の表皮膿腫は皮膚腫瘍です。脂肪腫はいろいろな部位に生じますが、ほとんどが皮下腫瘍です。つまり皮膚の下の正常脂肪の位置に出現します。ただし、一部がその下の筋膜と癒着していることが多いです。
■脂肪腫の治療
大きさが変わらなければ、この腫瘍は感染することもないので、経過観察することも選択します。ただし大きさが5cmを超えるもの、急速な増大を認めるものについては悪性も考え、摘出術をお勧めします。
疥癬(かいせん)
■疥癬の症状陰部、体幹、指間など皮膚の柔らかい部位に生じ、夜間に激しいかゆみのある多発性の皮疹、時に結節を形成します。
■疥癬の原因
ヒトヒゼンダニの感染症で、人、寝具、衣類との接触により感染しますが、潜伏期間が1か月間あるので、知らない間に感染していることがあります。通常病院内、 老人ホーム、家族内、性交渉などがきっかけとなり感染します。
■疥癬の診断
患者さんの指間部や手掌に長さ数ミリのわずかに盛り上がった灰白色の線上の皮疹が見られ、これを疥癬トンネルと呼びます。ここから採取した皮膚を顕微鏡で観察しダニの成虫や卵が確認が確認できた場合、疥癬と診断します。
■疥癬の治療
硫黄軟膏、オイラックス軟膏を用いますが、治癒が得られない場合疥癬に対する唯一の内服薬イベルメクチンに変更します。
アフタ性口内炎
■アフタ性口内炎の症状口の粘膜の表面の細胞が欠損するびらんという病態で、強い痛みを伴います。どの年齢の人にも発生します。
■アフタ性口内炎の原因
何回も繰り返すアフタ性口内炎の場合は自分の歯が粘膜にあたってできるものが多いようですが、それ以外は原因不明のものが多いです。膠原病など内科疾患に伴う場合も。
■アフタ性口内炎の治療
通常はステロイド軟膏を初期に使用すれば有効です。
乳がんの専門家スーフォールズ、サウスダコタ州
膿皮症 (いわゆる「とびひ・飛び火」)
■膿皮症の症状3歳以下の小児によく見られ、夏に多いです。感染した部位からまわりに広がるとともに、他人に接触感染を起こします。糸球体腎炎を合併する可能性があります。
顔面に多発する発赤 一部に膿みが見られます
ほとんどが連鎖球菌、ブドウ球菌による皮膚の感染症です。
■膿皮症の治療
抗菌薬の全身投与を行います。自然の経過でも治癒しますが、腎炎を予防するという点からは速やかに治癒させることが必要と考えられます。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
■蜂窩織炎の症状特に下肢に多く生じ、皮膚の発赤、腫脹、疼痛を生じ、急速に範囲が拡大すると、壊死性筋膜炎や敗血症を合併する炎症の病気。
■蜂窩織炎の原因
細菌感染が原因で、起因菌はぶどう球菌が多いですが、連鎖球菌、インフルエンザ菌、嫌気性菌なども検出されます。皮膚から皮下組織にいたる広範囲な組織の感染症です。
■蜂窩織炎の治療
抗菌薬の全身投与、壊死組織の切除、皮膚切開など入院して治療が必要となります。
単純ヘルペス
■単純ヘルペスの症状口、眼、生殖器の皮膚粘膜のかゆみ、違和感といった前駆症状があり、その後に発赤が生じ、最終的に多数の水疱が生じます。初感染では痛みを伴い、自然治癒します。その後、時間がたってから高率に再発することが特徴です。
■単純ヘルペスの原因
単純ヘルペスウイルス1型は口、眼、生殖器に感染し、単純ヘルペスウイルス2型は主に生殖器に感染します。
■単純ヘルペスの治療
抗ウイルス薬(アシクロビルなど)の点滴、内服、外用を症状に応じて使用します。
水痘(すいとう)
■水痘の症状発熱のあとに全身に赤い小さな皮疹が生じます。通常は2週間程度で自然治癒しますが、成人の発症では脳炎や肺炎の合併がみられるので、注意が必要です。
■水痘の原因
水痘帯状疱疹ウイルスの感染です。
■水痘の治療
通常はかゆみなどの対症療法を行いますが、成人、免疫不全、新生児などに対して抗ウイルス薬の点滴治療を行います。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
■帯状疱疹の症状皮膚に帯状の赤い皮疹が出て、次第に水疱に変化します。神経痛がみられるのが普通で、皮膚症状が消失した後も激しい神経痛が残ることがあります。
■帯状疱疹の原因
水痘帯状疱疹ウイルスに初めて感染した時に水痘として発病し、それが治癒した後に神経節に潜んでいたウイルスが活性化して帯状疱疹の症状が出現します。
■帯状疱疹の治療
抗ウイルス薬の内服、点滴、皮膚の軟膏処置を行います。神経痛に対してはプレガバリンという新薬が認可されたので、神経痛が残る方は検討してください。
麻疹(ましん) はしか
■麻疹の症状2週間の潜伏期のあとに発熱と風邪症状があります。いったん解熱した時点で、口腔粘膜に白い斑点がみられます。再度発熱とともに全身に小さな紅斑が多発し、次第にそれが融合します。
■麻疹の原因
麻疹ウイルスです。
■麻疹の合併症
脳炎、肺炎、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)があります。このためワクチンの2回接種が強く推奨されます。
■麻疹の治療
発熱、咳の対症療法として解熱剤、鎮咳薬の投与を行います。ウイルスそのものを治療する薬はありません。
皮膚悪性腫瘍
いろいろな腫瘍の形態がありますが、基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫が代表的な腫瘍です。■皮膚悪性腫瘍の症状
ほくろやシミなどにみえる斑点の形、大きさが変化した ら注意が必要。皮膚科専門医を受診して下さい。出血を伴うほくろやシミの場合悪性疾患を疑います。早めの受診を考えて下さい。
■皮膚悪性腫瘍の原因
はっきりと特定された原因はありませんが、紫外線が有力な原因として考えられます。帽子の着用、日焼け止め、傘の使用などが推奨されます。
■皮膚悪性腫瘍の治療
皮膚がんは早期に治療すれば治癒する率が高いので、早めの手術をおすすめします。高齢の方でも手術の全身的な影響はほとんどありませんので、問題なく治療ができます。安心して病院を受診して下さい。
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